勤務先が奨学金を肩代わり?企業の代理返還制度の仕組みと確認方法
2021年に始まった企業による奨学金代理返還制度。全国2,587社が導入済み(2024年10月末時点)で、従業員の代わりにJASSOへ直接返済する仕組みです。所得税非課税の場合もあり、知らないと損をする可能性があります。
「うちの会社、奨学金を返してくれる制度があるらしい」
同期からそんな話を聞いて、初めてその制度の存在を知った——という方がいるかもしれません。あるいは、求人票の福利厚生欄に「奨学金返還支援あり」と書いてあったものの、具体的にどういう仕組みかよくわからないまま入社した、という方も。
企業が従業員の奨学金をJASSOに直接返済する「代理返還制度」は、2021年4月にスタートした比較的新しい仕組みです。導入企業数は 全国2,587社 に達しています(2024年10月末時点)。
どういう仕組みか
通常の返済では、従業員の口座から毎月JASSOへ自動引き落としされます。代理返還では、この引き落としの一部または全部を企業がJASSOに直接支払う形になります。
イメージとしては、会社が「奨学金の肩代わり」をしてくれるようなもの。ただし、無条件に全額免除というわけではなく、企業ごとに支援額・支援期間・対象者の条件が異なります。月5,000円の補助のところもあれば、月2万円以上支援する企業もあります。
従業員側のメリットとして大きいのは、税制上の取り扱い です。企業からの給付は通常「給与」として課税されますが、奨学金の代理返還は一定の条件を満たせば所得税が非課税になる場合があります。社会保険料の算定にも原則として含まれないため、手取りに直接影響しにくいのが特徴です。
どんな業種が導入しているか
JASSOが公開している導入企業の傾向を見ると、特定の業種に集中しているわけではありません。宿泊・飲食業、建設業、コンサルティング、医療・福祉、IT系など、人材確保が課題となっている業種での採用が目立ちます。
中小企業も多く参加しており、「大企業にしかない制度」ではありません。採用競争力を高めるために導入しているケースが多く、「奨学金返還支援あり」を求人のアピールポイントにしている企業も増えています。
「自分の会社が対応しているかどうか」を知る方法
実は、これを知らない社員がかなり多いのが現状です。人事部が制度を導入しているのに、社内への周知が不十分なまま時間が経っていることもあります。
確認する方法は2つあります。
1. 社内で確認する
人事部や総務部に「奨学金の代理返還制度を利用しているか」と直接聞くのが確実です。制度があるなら手続き方法も教えてもらえます。「そんなことを聞いていいのか」と遠慮する必要はありません。制度として設けているなら、使ってもらうために存在しているものです。
2. JASSOの企業検索ページで調べる
JASSOは代理返還制度に参加している企業の一覧をウェブサイトで公開しています。社名で検索して、自分の勤務先が載っているかを確認できます。
転職を考えている人にとっても参考になる
代理返還制度は、就職・転職先を選ぶ際の比較ポイントにもなります。給与額だけでなく、奨学金返還支援があるかどうかを加味すると、実質的な手取りの差は意外と大きくなることがあります。
たとえば月1万円の返還支援があれば、年間12万円。5年続ければ60万円。非課税であれば、その額がそのまま手元の負担軽減につながります。給与交渉が難しい状況でも、こういった制度の有無は確認する価値があります。
まずは今の勤務先に制度があるかどうか、一度調べてみてください。知らないうちに使えたはずの制度が眠っていた、というのはもったいない話です。
※本記事の内容は2026年3月時点の情報をもとにしています。制度の詳細はJASSOにお問い合わせください。
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本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の金融アドバイスではありません。 実際の返済計画については、JASSO公式サイトや専門家にご相談ください。 掲載情報は作成時点のものであり、制度変更等により内容が変わる場合があります。